読み手「やまだ眸月真」のつぶやき

はたあげ

第7話 はたあげ

春の風が噴吹き始めると、長崎の山々には、真っ青な空を背景に色とりどりの「はた」が舞い始めます。
やっと暖かくなって、外でおもいきり遊ぶ・・・そんな気持ちが表れているような色あいです。
上手になると右に左に上に下にと、自由自在に操れるのだそうです。

それから、最後の長崎弁。
だいたいのところ、「うちのおぼっちゃまが「ふたえじま」のハタを上げておりましたところ、「横棒」のハタが「とんぼ」がえりでおとしてきたので、そこで、かかっていきましたら、反対にやられてしまいました。やられたハタをもとに戻そうと切られたヨマを取付ようとしていたところ、ヤダモンたちに横取りされたのでございます。そのとき、突き倒されて、ハタを破り散らされたので、私がビール瓶でそいつらを殴ったのでございます。突き倒された拍子に、私はぬかるみのなかにおちてしまい、おしりの穴までずぶぬれになってしまったのです。」というところでしょうか。
辞書がないだけ外国語よりも難しいですね。

つぶやき★ついで
はたあげ

この長崎ものしり手帳の朗読で私、どれだけのことに気づいているのか、その気づきの日々は人生の宝物だと思えているんですけれど。
このはたあげの最後の長崎弁を読むにあたり具体的に言うと「ぽいのす」の一語を読むにあたりこれは読み終わった後、私は一皮剥けるに違いないという確信がありまして。 そんな確信の元に、「ぽいのす」に挑みました。
「ぽいのす」とは肛門のこと。
私、出産も経験しておりますが、公の電波に自分の声で、肛門と発する日が来るとはまったく想像外で。その心境といったら 将軍綱吉の前で恋の歌も披露したケンペルの気持ち。
もうなんでもこい!な心境でした。
そして今、本当に身も心も以前より軽くなれた私がいます。なくていいのがプライドといいますが本当ですねー。 そしてこの講座が浮かんだのです。
長崎では肛門のことを、もうひとつ。「じごんす」というのです。
この違い、何でだか教えて下さる方いらっしゃるかしら。
私、その違いは、こんなことではないか?と浮かびまして。それは、その昔、言い始めたその方の体調ではなかったかと。
つまり快便な方にとっては、ぽいっと排出されるから「ぽいのす」で。とても長い時間がかかり、ジゴ、ジゴって内臓のことなんですけど内臓から搾り出すほど便秘の方にとっては「じごんす」かと。
この話を、どう思うか知的な知人にしてみたんです。
そしたら話してみるものですね。まったく別の角度からの意見がでまして。何故、「す」なのか?という議論です。「す」は「巣」であり。巣立ち、つまり排便を体からの旅立ちと捉えているのではないか?という話になり大笑いしました。
楽しいなー。こんな話。
下品なお話をいかに上品に話すかとっても力量のいることだと感じ入りました。

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